
2010年7月7日ののりものマメ知識で、「昔は一色、今はカラフル」とその車体色についてお送りした「キハ40系気動車」ですが、同系の魅力(?)はこれだけにとどまりません。今回は「第2回キハ40系」と銘打って、それらの形式について「マメ知識分」を皆様にお届けしたいと思います。
…まずは簡単にキハ40系についてのおさらいをしましょう。
キハ40系は日本国有鉄道(国鉄)が1977年から製造したディーゼルカーで、900両近く製造されたグループです。登場当時は朱色(首都圏色)の塗装でしたが、現在では路線や地域ごとにカラフルな塗装に変更され、日本全国各地の非電化ローカル線で活躍を続けています。
さて、900両近くも製造された同系は実に様々な形に分類することができます。それではまず、製造当時のそれらの形を見ていきましょう。
まずはキハ40形のグループ。同形は1両でも運転ができるよう車端部の両方に運転台が設置されています。ドアは車端部に2箇所片開きのものが設置されました。トイレも設置され、長旅にも対応できるのはもちろん、車内座席はドア付近はロングシート、中間部をクロスシートとし混雑時にも対応できるような構造となっています。以上がキハ40形の基本的な構造ですが、同形はさらに以下のように分類することができます。
北海道など冬場の寒さが厳しい地区には「酷寒地仕様」のキハ40形が投入されました。ドア付近には客室に冷気が入らないようにデッキが設けられ、客室窓も小型の二重窓が採用されました。
東北地区など北海道ほどではありませんが冬場の気候が厳しい場所には、「寒地仕様」が投入されました。客室内にデッキはありますが、客室窓は当時国鉄の他の電車などにも採用され一般的であった「ユニット窓」とされました。
関西地区などには「暖地仕様」が投入されました。車体外観は「寒地仕様」に似ていますが、車内はデッキがなく比較的暖かい場所向きの仕様となりました。これらの違いによりキハ40形は大まかに3パターンに分類できます。
さて、キハ40形は前述のように1両に2つ運転台がついています。ラッシュ時などには多くの乗客に対応するため、2両、3両…と連結し運転されますが、中間部分の運転台は使用されないため、乗車定員が少なくなってしまいました。そこで開発されたのが片方のみ運転台を設置したキハ48形です。同形にもキハ40形と同様「酷寒地仕様」、「寒地仕様」、「暖地仕様」の3種類があり、それぞれの構造はキハ40形に準じています。またキハ48形はトイレの有無でも分類することができ、大まかに6パターンに分類できます。
さらにラッシュ時などの混雑に対応したのがキハ47形です。同形は一般的な電車に見られる両開き式のドアを2箇所に設置。設置位置もキハ40形とは異なり車端部ではなく比較的車体中央寄りに設置しました。運転台はキハ48形と同様片方のみ設置されましたが、ドアの形状や配置などから上記のキハ40、48形と比較すると外見は大きく異なります。なおこの形式のみ「酷寒地仕様」は存在せず、「寒地仕様」と「暖地仕様」のみとなっています。車内ドア付近はロングシート、それ以外はクロスシートとなり、やはりトイレの有無で分類ができます。大まかな分類では4パターンとなります。
ここまでお読みいただいた読者の方は、もう立派なキハ40系マスター…かもしれません。ではここでクイズです。

写真はヴァル研究所のりものマメ知識作成メンバーが伊勢市駅で撮影したものです。写真のディーゼルカーはキハ40形、48形、47形のどれでしょうか?(答えはこのページの一番下にあります)
…以上がキハ40系全体の製造当時の形態です。…何か妙に太字になっていますね。そうです。これらは製造当時の形であり、国鉄からJRとなった現在では各社が路線ごとにニーズに合うように改造をしており、分類はさらに細かくなっています。
例えば、JR西日本では片運転台のキハ47形を両運転台に改造したり(「キハ41形」に形式変更されました)、JR東日本ではキハ40形のトイレが一部撤去されるなどの改造がなされたりしました。また、JR北海道では急行「宗谷(そうや)」や「利尻(りしり)」に使用するため、座席をリクライニングシートに交換したり(これらは「キハ400系」と呼ばれました)、JR九州では、なんと特急「はやとの風」用に改造されたりするなど、本来普通列車用として開発された車両が優等列車として華々しくデビューしたものもあります。さらにJR各社で様々なジョイフルトレインに改造されたものもあり、現在の形式パターンをすべて把握するのは一筋縄ではいきません。
JRとなった現在、例えばある路線に新しい列車が投入されるときは、その路線にチューンアップした形式を投入します。しかしそれらは既存の列車に特別な機能を持たせたり、あるいは省いたりするなどのものが多く、見た目は違っても実はよく見ると一緒であることが多いのです。普段見慣れている列車、乗っている列車が、実は別の路線を走っている列車と同じ形式だった…など、新たな発見があるかもしれません。

次回はとある有名人の名前がついた駅をご紹介します。お楽しみに!
●クイズの答え
運転台が片方のみ、ドアが車端部に2箇所なので、キハ48形です。写真の同形は屋根に水を入れるタンクがないのでトイレがないタイプです。またJR東海のキハ40系の多くは、JR化後にエンジンを大馬力のものに変更しています。