
「リゾートみのり」はJRグループと地元の協業によるキャンペーン「仙台・宮城デスティネーションキャンペーン」にあわせ、2008年に登場した観光列車です。写真の専用列車を使用し、宮城県の仙台または小牛田(こごた)と山形県の新庄を陸羽東線(りくうとうせん)経由で結んでいます。陸羽東線という正式な線名とは別に公募によって1999年に命名された「奥の細道湯けむりライン」という愛称があります。
陸羽東線という線名は『陸前と羽前を結ぶ陸羽線の東半分』を意味しており、小牛田~新庄間の全区間をJR東日本が運行しています。その歴史は、1913年に小牛田~岩出山(いわでやま)が開通したことに始まり、1917年に新庄まで全通しました。沿線はとても自然豊かで、新緑や紅葉、稲穂の波など季節によって様々な風景を楽しむことができます。
沿線には「こけし」で有名な鳴子温泉をはじめとして多数の温泉があり、温泉名をそのまま駅名とした駅が「川渡(かわたび)温泉」、「鳴子御殿湯」、「鳴子温泉」、「中山平(なかやまだいら)温泉」、「赤倉(あかくら)温泉」、「瀬見(せみ)温泉」の6駅もあります。また、江戸時代に東北、北陸を旅し多数の俳句を残したことで有名な松尾芭蕉による「おくのほそ道」の舞台となる場所も多く存在し、「鳴子温泉」付近の「尿前(しとまえ)の関」跡もそのひとつです。ここには当時、出羽街道と羽後街道の要所となっていた関所「尿前の関」を、松尾芭蕉が通行手形なしに通過しようとし、怪しまれたため厳しい取り調べをうけたという逸話も残されています。
当路線の魅力は、観光資源だけではありません。起点の小牛田が、東北の中心都市・仙台に近いだけではなく、途中の古川では東北新幹線と、終点の新庄では山形新幹線と接続しており、東京からのアクセスも優れています。このような線区の特徴を生かすため、蒸気機関車のイベント運転を行うなど、観光客を意識した臨時列車を運転していました。「リゾートみのり」は、その決定打といえます。
JR東日本には当線の他にも愛称がついている路線が多くあります。中でも陸羽西線(りくうさいせん)の「奥の細道最上川ライン」という愛称は当線とペアを組むものです。両線を合わせて訪れ、かつてこの地を旅した俳人の足跡をたどりながら豊かな自然を楽しむのはいかがでしょうか?