『駅弁ひとり旅』第111話

月見五味めし
 
 

『駅弁ひとり旅』第111話の扉ページの絵を見て驚いちゃった。
だって私が学生時代によく乗った、井の頭線の電車なんだもん。

 

菜々


大介

ああ、菜々ちゃんの母校、M大だったね。ということは、よく乗ったのは京王井の頭線の3000系だね。1000系の導入により古くなった3000系が松本電鉄にやってきたんだよ。

菜々 : 懐かしいわ、井の頭線。レインボーカラーっていって顔の色が7色あって次は
     何色の電車か楽しみだったわ。私はピンク色が好きだったわ。
     だって可愛いかったんだもん。

大介 : おいおい、菜々ちゃん、懐かしいとか、レインボーカラーだったとか、過去形で
     言うけど、今も井の頭線はレインボーカラーだよ。車両は3000系より大型の
     1000系が主力になったけど。まだ、3000系も走ってるはずだよ。

菜々 : まあ、それは失礼しました。そういえば卒業して以来、井の頭線に乗る機会も少なく
     なっちゃったから、ここしばらく乗ってないわ。だから、松本電鉄を見て急に懐かしく
     なっちゃったのよ。

大介 : まあ、井の頭線は菜々ちゃんの地元、東京の電車なんだから、たまには乗ってね。

菜々 : ハイ! 乗りに行きますよ。レインボーカラーの3000系も1000系にも。

大介 : ブッブー! 1000(いっせん)系じゃなくて、1000(せん)系ね。

菜々 : よ、出ました! 大ちゃん得意の辞書には載ってない鉄道業界用語。

大介 : へっへっへ、実は高校時代の同級生が京王井の頭線の車掌やってるから、
     その点は、任せときなのさ!

菜々 : ところで大ちゃん、松本駅の駅弁「月見五味めし」だけど、五味って書いて、
     五目って読むのね。

大介 : うん。当て字だね。でも、ちゃんと意味を成しているよ。五つの味なんだから、むしろ
     五つの目よりも、的を射た漢字じゃないかい?

菜々 : まあ、言われてみれば、そのとおりだわ。駅弁のパッケージは松本城だけど、
     「月見五味めし」と何か関係あるの?

大介 : それが大ありなのさ。「月見五味めし」の製造元、イイダヤ軒さんの話によれば、
     慶長時代に松本城の殿様、石川数正が狩猟の獲物の鳥獣や山菜を武者料理し、
     松本城の月見櫓で宴会を催したとのこと。それに因んで、「月見五味めし」という
     わけさ。

菜々 : なーるほど。お弁当の真ん中の茹で卵が、お月さまってわけね。

大介 : うん。そうだよ。

菜々 : そして、お月さまの周りの鶏肉、お魚、竹の子、ごぼう、山菜などが長野の
     美味ってわけね。

大介 : ピンポーン! 松本城の月見櫓ではもちろん、お弁当箱の中でも、お月見が
     できるってわけさ。

菜々 : 1年中、お月見ができる駅弁ってわけね。目にヨシ、食べてヨシ。

大介 : 「スーパーあずさ」のお共にまたヨシ!

菜々 : 決まったね。


3000系



    
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駅弁ひとり旅 第8巻

【監修】櫻井 寛
【作画】はやせ 淳