
宮城県の中央に位置する塩竈(しおがま)市は、古くから港町として栄えてきた地。今でも生マグロの水揚げ高は全国一位を誇り、海産物の加工業も盛ん。1平方キロメートル当たりの寿司店の数は日本一ともいわれています。期間限定の駅弁「塩竈藻塩弁当(しおがまもしおべんとう)」に同封されたお品書きには「塩竈の老舗寿司店親方監修」とありましたが、おかずとして入っている蒲鉾は、味も抜きん出ています。
もうひとつ、塩竈で有名なのが、鹽竈(しおがま)神社です。全国にある塩竈神社の総本社であり、主祭神は鹽土老翁神(しおつちおぢのかみ)。「しおつち」とは「潮(しお)の霊(ち)」を意味し、海の神様であることを物語っています。
毎年7月の「海の日」には、日本三大船祭のひとつに数えられる「塩竈みなと祭」が開かれます。鹽竈神社の神輿は市内を練り歩いたあと御座船に載せられ、約100隻の船を従えて松島湾を巡幸。古来、海からの道案内の役割を果たされ、この地にとどまった鹽土老翁神を、年に1度海にお連れする祭りです。
鹽土老翁神は海の神であるとともに、塩の神としての側面も持ち、漁業や煮塩の製造法をこの地に住む人々に教えたといわれています。そのため、塩竈市内にある鹽竃神社の境外末社「御釜神社(おかまじんじゃ)」では、塩にまつわる神事が今でも行なわれているんです。
例年7月4日に御釜神社で行なわれる神事が「藻刈神事」。これは、海水を含んだ藻(ホンダワラ)の採取です。翌日5日には「御水替」。釜へ潮水を入れ替えます。そして6日は「藻塩焼」。釜で潮水を煮詰めて塩を作る工程です。
できた塩は、7月10日の鹽竈神社例祭でお供えとして使われます。
駅弁「塩竈藻塩弁当」についている塩も、この作り方にならって作られたもの。かの「万葉集」にも「藻塩焼く」「玉藻刈る」といった枕詞が登場している原始的な製塩法で、今日では岩塩や天日製塩に比べて貴重な塩といえるでしょう。舐めてみても角がなく丸みがあって、トゲトゲしさはありません。でもおかずにつけて食べると、しっかりと塩の味が主張してくるな・・・駅弁を食べていて、そんな印象を持ちました。
さて、駅すぱあとブログ開設から今日に至るまで続いてきました「全国駅弁レポート」も、今回を持ちまして最終回となります。旅路で駅弁を選ぶ際、少しでも皆様の参考になっていれば、無上の喜びです!今後も新しい駅弁が次々と登場すると思いますが、どうぞ皆様、積極果敢に駅弁を味わって、楽しい旅を満喫してくださいね。これまでご愛読いただき、ありがとうございました。