
瀬戸大橋が開通する前、鉄道を利用して四国に渡るメインルートは宇野~高松間の宇高連絡船でした。山陽新幹線が岡山で開通すると、接続する宇野線の快速が1時間ごとに走り、連絡船もそれに接続して1時間ごとに出港していました。航海時間も1時間で、穏やかな瀬戸内海の航路ですから、ほとんど揺れはなく、四国への旅のアクセントという感じでした。名物はなんといっても甲板にあった讃岐うどんのスタンドで、食事どきでなくても、なぜか自然に足が向いたものです。
国鉄が連絡船を運航していた時代から、宇野~高松間にはカーフェリーが3社も運航され、それぞれ宇高国道フェリー、四国フェリー、本四フェリーという名称で競争していました。
宇高連絡船と共に国鉄の代表的航路だった青函連絡船も並行するカーフェリーが複数あり、青函連絡船亡き後も運航されています。しかし、青森港も函館港も青森駅、函館駅とは離れた場所にあり、連絡船を懐かしむ雰囲気ではないのです。
しかし、宇高航路は違います。宇野港も高松港も駅が近く、実際、事故などで瀬戸大橋線が不通になると、宇野線とフェリーが振替輸送を行うこともあります。宇野港も高松港も連絡船が使っていた岸壁は埋め立てられ様子が変わりましたが、それでも駅の近くから船が出る光景は、連絡船時代を思い出します。
先に3社が競合していると書きましたが、実は本四フェリーの津国汽船は宇高航路から撤退してしまいました。すでに数年前から四国フェリーとの共同運航となり、実質的に2社競合状態だったのですが、今年の3月一杯で津国汽船が撤退してしまい、正真正銘の2社競合となったわけです。
この写真が残った2社の船で、手前が宇高国道フェリー、奥が四国フェリーです。宇高連絡船に親しんだ世代ですと「宇高」は「うこう」と読みたくなりますが、実は以前からカーフェリーのほうは「うたか」と読ませていました。
瀬戸大橋の自動車通行料金は、さまざまな割引の導入でフェリー利用が次第に減っていたのですが、特にこの春から導入された乗用車の休日1000円などのETC大幅割引はかなりの影響を与えているようです。快速「マリンライナー」も快適ですが、たまには船で渡るのも楽しいものです。カーフェリー船内にも讃岐うどんがありますよ。