おばあちゃんの温もりを駅弁に-米原駅・湖北のおはなし【前編】

湖北のおはなし 滋賀県で東海道新幹線が停車する駅といえば、米原(まいばら)。米原市をはじめ、長浜市、東浅井郡、伊香郡、つまり琵琶湖の北に位置するこの一帯のことを「湖北」といいます。今回ご紹介する駅弁は、米原駅の「湖北のおはなし」です。

駅弁に同封されている紙には、こんな一節があります。「きびしくてながい湖北の冬です。まちから帰ってきたお嫁さんや孫のために、おばあちゃんがそっともたせてくれたのが、このお弁当です」。風呂敷を思わせる唐草模様の包装紙。ドロボーじゃありません、「おばあちゃんが持たせてくれた」お弁当です!

包装紙を開けると、葦(よし)で編まれたお弁当箱が出てきました。琵琶湖、とりわけ湖北には葦の群生地があります。湖北らしい演出ですね。そして封を開けると、色鮮やかで品よく敷き詰められたおかず、そして黒豆入りのおこわが目に飛び込んできました。いやーほんとに美しいですね。

おこわは、抗菌シートで包まれています。一見すると情緒がないように思われるかもしれませんが、木と葦で出来た容器ゆえの措置だと思います。しかし、このシートに包まれていたせいで、開けたとたんにイイ匂いがフワーッと立ち上がるんですよ。ん?この匂いは・・・と思って食べ進めてみると、やはりそうでした。ご飯の下に桜の葉っぱが敷いてあります。おこわにほんのりと桜の葉の香り、そしてほのかな塩味がきいています。これは上品。

ちなみに、黒豆は冬期限定です。春は山菜、夏は枝豆、秋は栗が炊き込まれるとのこと。すべての季節の「湖北のおはなし」を食べてみたくなります!

そしておかず。お弁当の色彩のアクセントになっている赤かぶらの酢漬け。これは濃厚な味わいでおこわとよく合います。煮豆には甘辛のじゃこがまぶしてあり、丁寧な仕事ぶりに改めて感服。十五夜にお供えする小芋丸煮はまんまるで美しく、やわらかい。玉子焼きはふんわりふわふわ。鶏肉は鍬焼き風の味噌風味。こんにゃくは、古くから近江の永源寺の禅僧達が食べていた地域名産品。甘辛く田舎風に炊き込んであります。

湖北のおはなし そして湖北といえばやっぱり鴨!古くから鴨すきや鴨鍋などの鴨料理がこの地の名物です。粒こしょうでローストしてあって、ほどよく脂が乗っていました。粒こしょうがまた食欲を煽る煽る!洋食の食材として使われるヤングコーンも和風の味付けがしてあって、美味しかったです。その他、しいたけに梅干し、ねぎとお揚げのぬた、菊の菜、ごぼうなど、おかずには事欠きません。

ということで、いろいろなおかずが楽しめる「幕の内」駅弁派の筆者としては、大満足の駅弁でした!次回は湖北の名産「鴨」と「赤かぶら」に迫ってみたいと思います。

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