【週刊ノリスケ】 阪神の悲願“阪神なんば線”開業

阪神なんば線の近鉄電車

去る3月20日、「阪神なんば線」が開業しました。大阪市西部にある阪神電鉄「西大阪線」を南東に延長して近鉄と接続する新路線で、旧西大阪線部分を含む尼崎~大阪難波(近鉄難波を改称)を一体にして命名されています。これにより、大阪市中心部から東方に向かい奈良と結ぶ近鉄「奈良線」との相互直通運転が始まりました。

京成と京急、東武と東急のように地下鉄を介した大手私鉄同士の直通運転は先例がありますが、大手私鉄同士が直結しての相互直通運転は珍しい事例です。おそらく、半世紀以上前に名古屋駅にあった近鉄と名鉄の連絡線を使って、直通臨時電車を運転して以来のことではないでしょうか。

写真は、旧西大阪線区間を走る近鉄電車です。これまで、近鉄に比べてやや小ぶりな阪神の電車が4両編成で走っていた区間を6~8両編成で走るわけですから、大きな変化を感じます。

このように規格が異なる車両を使う相互直通運転も、通勤線区では珍しい事例です。阪神電車は1両の長さが約19mである一方、近鉄電車は約21mとなっています。そのため1両あたりの扉の数は、阪神が片側3ヵ所、近鉄は片側4ヵ所となっています。この結果、同じ6両編成でも、全体の長さは約12m違い、扉の数は18ヵ所と24ヵ所となります。これに対応するためにホームの扉位置の案内は2種類表示され、ホームの発車時刻表や駅で配布されるポケット時刻表には阪神電車か近鉄電車かが記されています。

阪神なんば線の目玉商品は、神戸の三宮と近鉄奈良を結ぶ「快速急行」です。それ以外に、阪神側の尼崎を起終点する列車も多く走ります。近鉄側は東花園、大和西大寺、近鉄奈良などを起終点としています。阪神なんば線内は各駅停車でも、近鉄線内では準急や区間準急などになる列車もあります。快速急行は平日昼間を除くと、旧西大阪線の中間駅には停まりません。これは、それらの駅には6両分しかホームがないためです。さらに阪神本線の駅は、西宮を除くと6両分のホームしかないため、8両や10両編成で運転される快速急行は、尼崎で2両ないしは4両を切り離して三宮に向い、増結して近鉄奈良に向かいます。

これで阪神は、キタと呼ばれる梅田付近とミナミと呼ばれる難波付近の大阪二大繁華街に直通する事になります。また近鉄では、奈良や伊勢志摩など自社エリアの観光地への集客力が高まると期待しているようです。このため阪神三宮に近鉄の特急券売場を新設し、大阪難波のホームには特急券自動販売機を設置しています。

ところで、野球がお好きな方は、オリックスバファローズの本拠地で阪神タイガースの試合も行われる「大阪ドーム」と、タイガースの本拠地「甲子園球場」が直結されることが気になる人も多いのではないでしょうか。阪神タイガースと阪急ブレーブスが日本シリーズで対決するという、かんべむさし氏の「決戦!日本シリーズ」という小説が1974年に発表されています。この中でブレーブスの本拠地が西宮北口にあった西宮球場であったことから、両球団の対決を「今津線シリーズ」と呼ぶという設定がありました。これにならって「なんば線シリーズ」の実現を期待するプロ野球ファンもいらっしゃるでしょう。

新しい人の流れを生みそうな阪神なんば線の将来が楽しみです。

トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://ekispablog.jp/cmt/mt-tb.cgi/2436

コメントを投稿

投稿いただいたコメントは、承認された後に掲載されます。    
承認されないこともありますので、あらかじめご了承ください。