
昨年の今頃、レールファンの関心を集めた出来事がいくつかありました。まず、昨年3月に廃止される事が決まっていた寝台特急「なは」「あかつき」と寝台急行「銀河」です。この3列車以外にお名残乗車のターゲットになったのが、3月末での廃線が決まっていた三木鉄道です。兵庫県南部にあるJR加古川線の厄神駅を起点に、三木駅までの6.6kmの路線を持つミニ私鉄でした。私鉄と言っても元は三木線という国鉄路線で、国鉄再建法により同線廃止が決定したので、鉄道として存続させるために地元で設立した第3セクター鉄道でした。
1985年の開業時には、レールバスと呼ばれる小型ディーゼルカーのミキ180形2両が用意されました。1998年には、やや大型のミキ300形を1両新製して、所属車両は3両になりました。さらに老朽化していた2両のミキ180形に代わり、ミキ300形を1999年と2002年に1両ずつ投入し、廃線時には3両のミキ300形が活躍していました。
廃線後、まずは新しい2両を売却する事になり、入札の結果、岐阜県の樽見鉄道と、三木鉄道と同時に開業した北条鉄道が1両ずつ購入しました。昨年12月8日と9日に搬出され、購入先で整備を受けています。この写真の103号は、三木市で記念のために保存する構想もあったので売却を保留していたのですが、保存を行わない事になったため、今は売却先を探しているそうです。
売却された車両は、塗装が変えられ、雰囲気が一変することも珍しくありません。しかし今回の2両は、当面の間、塗装を変えないと報じられています。しばらくの間、転籍先で三木鉄道の雰囲気を残しながら活躍することになりそうです。実は、両社共にミキ300形とほぼ同タイプのディーゼルカーを新車で導入しており、これで塗装違いの兄弟車を所有する事になります。
この2両共、3月には整備を終えて営業運転を開始する予定だそうです。三木鉄道に思い出がある人や都合で行けなかった人には、三木鉄道を偲ぶチャンスですよ。