
フェリーというと、車での移動には便利だろうけど、車での遠出はしないので無縁だと思われている人もいらっしゃると思います。船は揺れるので、苦手といわれる方も少なくないでしょう。
そういう人にもお勧めしたいのが、関西と北九州/大分/別府を結ぶ瀬戸内航路のフェリーです。瀬戸内海は、古くから海運が発達していましたので、離島航路以外では珍しい客船の長距離航路が古くからありました。その伝統を引き継いだ長距離フェリーは、車無しで乗船するお客が今でも多く、港へのアクセスにも考慮されています。今では1万トンクラスの大型フェリーが主力で、波が穏やかな瀬戸内海ですので、揺れはほとんど感じません。
なによりも船で嬉しいのは、個室が多い事です。いろいろな人と触れ合う旅も魅力的ですが、列車でも「トワイライトエクスプレス」や「カシオペア」など個室主体の寝台列車が人気を集めるように、夜行ではプライバシーを保ちやすい個室に人気が集まるのも当然でしょう。
個室というと、グループで利用するイメージが強いのですが、瀬戸内海航路をはじめとする関西~九州の各航路では、多くの船に一人用の個室があります。
この中で私の一押しは、阪九フェリーの神戸~新門司航路に就航する「やまと」「つくし」にある2等指定Aです。実は、以前の同社2等指定は、単に場所が確保されているだけだったのですが、新しい船が登場するにつれて設備がよくなりました。
まずは独立性の高いカプセルホテルのベッドを備えた2等指定Aが登場しました。その次は、JRの個室B寝台のように隣室とのベッドを上下に重ねながらも完全な個室になった2等指定Aが登場し、最新の「やまと」「つくし」では、この写真のように狭いながらも通常のベッドを備えた個室になりました。写真には納まっていませんが、デスクの左端には洗面台が埋め込まれ、ベッドの足元方向にある棚には、テレビが備えられています。これだけのデスクがあれば、ちょっとしたデスクワークもできますし、寝酒もゆっくり楽しめます。2等でこのような個室があるのは、今のところ、この2隻だけです。
残念ながら、窓がない内部屋ですので、携帯電話が使える海域の航海ながら、室内では圏外になってしまいます。ただ、他社の船でも一人用個室で外に面しているのは特等が大半で、1等でも内部屋が大半ですから、これはやむを得ないでしょう。
なによりも、携帯電話にデジタルカメラなど、充電が必要な機器には、3箇所もあるコンセントが強い味方です。暖かい食事と生ビールが楽しめるレストランや大浴場も船旅の魅力ですね。
阪九フェリーの神戸でのターミナルは六甲アイランドにあり、JRの住吉駅、阪神の御影駅から連絡バス(220円)が出ています。北九州でのターミナルは新門司港にあり、こちらは門司駅・小倉駅に無料送迎バスが出てます。運賃は、最近の石油価格高騰の影響で、残念ながらこの9月1日から改定されましたが、それでも通常期の2等指定Aが11,100円です。しかも通常期なら、ネット予約してクレジットカードで決済すれば2割引です。「のぞみ」の新神戸~小倉が、普通車指定席で13,720円ですから、夕方の「のぞみ」で移動して、ビジネスホテルに泊まることを思えば、半額近くで済みます。
快適で安いとなれば、試してみる価値は十分ありますよ。