旅路を彩ってくれるステキな駅弁は全国津々浦々にあります。いずれも美味しい駅弁ばかりですが、美味しさに加えて「楽しさ」もあるとなると、この駅弁の右に出るものはいない気がします。今回は牛肉どころ、松阪の駅弁「モー太郎弁当」を食べてみました。
パッケージからして一筋縄ではいきません。牛の角がニョッキリ出ています。紙の部分をとると、やけにリアルな牛の顔が出現します。これだけでも充分楽しめますが、この駅弁の真骨頂はフタを空けた瞬間にあります。パッ・・・・と開けるやいなや響き渡るオルゴール調の音色!フタの内側にメロディセンサーが付いていて、光に反応したセンサーが童謡「ふるさと」を奏でます!忘れがたきふるさと、忘れがたき駅弁ここにあり。ちなみにこのセンサー、取り外すことができます。中ブタには「2000回の再使用可能。机、冷蔵庫、クローゼットなどにシールでお取り付けいただけます」の文字。1日1回鳴ったとして5年以上持つなんて、ますます忘れがたい!
かようなまでにトリッキーでビックリ箱的な駅弁ではありますが、味は王道を突き進んでいる点が素晴らしいです。中ブタを取ると食欲をそそる香りとともに、いちめんの肉畑!この「照り」も食欲をそそります。ちなみに使われている牛肉は、国産黒毛和牛です。昨今は食品の産地偽装などが相次いで発覚する世の中ですが、この駅弁の販売元である「あら竹」さんは、しっかりと明記して筋を通していらっしゃいます。ちなみに「あら竹」さんの駅弁ラインナップの中にある「極上松阪牛ヒレ牛肉弁当」。これはズバリ松阪牛を使用していて、なんと駅弁に松阪牛産地証明書が入っているんです。お値段は10,500円(税込み)!駅弁にしては高いと感じるのも確かですが、ホンモノを使い、ホンモノに仕上げれば、この価格になるということでしょうか。松阪牛の最上級のところを使っているそうです。もっとも安い部位で駅弁を作ればもっと価格は抑えられたはず。そのほうが売れるかもしれませんが、「なんだ、松阪牛ってこんなものか」と食べた人に思われてしまう可能性も出てきます。正しく、こだわりをもって商いをすることが大切といえますね。三井グループの創始者を生んだ商人の地、松阪の気概に触れた想いです。
おっと、話がそれましたが、この「モー太郎弁当」とて美味しいことに変わりなし!肉は松阪名物の「すき焼き」仕立て。甘辛で美味しくてみずみずしく、脂身のバランスも絶妙です。ショウガの香りも鼻をくすぐります。いわゆる巷の牛丼などとはまったく違いますね。ねっとりと深みのある味わい。
しかしなぜ、松阪牛がこれほどまでに有名になったのかご存知ですか?次回はそのルーツを探るとともに、タモリさんも唸った「あら竹」の創意工夫、そして松阪の地を走っていた幻の鉄道など、盛りだくさんで紹介しようと思います!