【週刊ノリスケ】 神戸電鉄に14年ぶりの新形車登場

神戸電鉄6000系電車

この6月4日、神戸市街地から六甲山を超えて有馬温泉などを結ぶ神戸電鉄で、1994年3月にデビューした5000系電車以来、14年ぶりに登場した新形電車6000系が営業運転を開始しました。同線は、六甲山を越えることから、国内でも屈指の山岳路線として知られています。

写真は、営業運転を前に関係者等向けに公開された際の6000系電車です。

これまでの神戸電鉄では、従来のスチール製車体に代わってアルミ製車体を採用した3000系電車が1973年に登場して以来、1991年登場の2000系電車、続いて登場した5000系電車とアルミ製車体でしたが、この6000系電車では同社で初めてステンレス製車体になりました。

ステンレス車体を採用することで、無塗装化が可能になり、車体製造時や保守時の環境汚染の可能性を減らしています。無塗装ですので、ステンレスの地肌の銀色が基調で、アクセントに細い赤帯とそれよりもやや太い金帯と黒帯のテープが貼られています。

アルミ製車体の3000系電車もクリアラッカー仕上げでアルミの地肌を生かしたデザインでしたが窓回りなど赤い塗装の部分も多く、6000系電車とはかなりイメージが異なります。2000系・5000系電車はアルミ車体でも、全面塗装のデザインでしたので、銀色の地肌は見えていません。つまり、6000系は、同社電車のイメージを一新する初めてのデザインになっています。

さて、冒頭で「屈指の山岳路線」と神戸電鉄を紹介しました。先日、6月1日付の記事で近鉄奈良線を「実は本格的な山岳鉄道並みの急勾配が連続する、厳しい条件の路線」と紹介しましたが、どう違うのでしょうか。近鉄奈良線の場合、最急勾配は法令上の上限である35‰(=35パーミル、1000m進んで35mの高度差が生じる坂)です。この急勾配が連続するので、法令の基準内とはいえ、走る電車には平坦な路線に比べかなり厳しい条件になります。一方、神戸電鉄の最急勾配は、政府の特別認可を得た50‰となっており、これは登山鉄道と呼ばれるような観光路線並みの特殊な規格になります。

他社では、南海高野線の末端である橋本~極楽橋でも見られますが、同社の場合は、この区間専用の装備を持った一部の電車しか入線できません。大都市圏の鉄軌道ながら、本格的な電車よりも一回り小さな電車を使う区間では、京阪京津線や叡山電鉄にも50‰を超える区間があります。

この6000系電車も、急勾配対策が盛り込まれています。まずは、4両編成全ての車にモーターが付いていることです。モーター付きの車両は、勾配を上るのに有利であるほか、自動車のエンジンブレーキのようにモーターを使う電気ブレーキや回生ブレーキになりますので、坂を下るときにも有利なのです。この電気ブレーキというのは、モーターを発電機にして、抵抗器でその電気を消費させることでブレーキにします。抵抗器に代わり発生した電気を架線に戻して他の電車が使うと回生ブレーキになります。回生ブレーキは省エネになりますので、最近では多くの電車に搭載されています。ただし、電気を使う列車が近くを走っていないと、ブレーキが効きませんので、この場合は、空気ブレーキで対応するのが一般的です。この方式は、神戸電鉄ほど急勾配が多い路線では、空気ブレーキの負担が大きく安全上好ましくありません。そのため、この6000系電車では、抵抗器も積んで回生ブレーキが効かないときには電気ブレーキに切替えるようになっています。

このような急勾配対策のほか、隣の車両に通じる貫通路の扉が自動化されるなど、旅客サービスも向上した車両になっています。今後の追加製造は、未定だそうですが、さらに増えると神戸電鉄のイメージが一新されそうな電車です。

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