歓送迎会に花見など、これからお酒を飲む機会が増え始める季節です。お酒は美味しい、でも二日酔いはイヤだ。そんなとき「お酒の席の締め」として振舞われると嬉しいのが、しじみの味噌汁!ふんわりと優しい味で、胃腸がなんだかすっきりしますよね。先日、しじみの味噌汁を飲みながら、ふと思ったのが「しじみ」は「あさり」などに比べると、料理のバリエーションが少ないのではないかということ。身の小ささもありますし、なかなかメインのおかずにはならないかもなぁと思っていたら、しじみを前面に押し出した駅弁がありました!といっても、現在は残念ながら発売していません。いわば幻の駅弁といえるのが、JR松江駅で販売されていた「大和しじみのもぐり寿し」です。
しじみの一大生産地といえば、鳥取県に広がる宍道湖。同駅弁は鳥取県松江市の駅弁です。昨今、駅弁ブームの影響もあって、派手なパッケージの駅弁が次々に登場していますが、この駅弁は至ってシンプル。白地に朱色で文字が書かれ、紺色でしじみ漁が描かれています。派手な駅弁の中で、これは逆に目立ちますね。さっそく封を開けると、中身はなかなかの賑わいぶり。しじみに白魚、ちくわ、エビ、あなご。大人好みのするラインナップです!
さっそくメインのしじみをご飯とともに一口。甘辛く煮込まれたしじみが実に濃厚。さらに貝特有のほろ苦さが加わって、ご飯が進みます。身がアサリなどに比べて小さいがゆえ、まさに「ご飯のおとも」といった佃煮風の感覚。お酒ともよく合いそうです。
そして、白魚。パッケージを一見しても、白魚が入っていることは予測できませんでした。なので嬉しさ倍増!あっさりと湯がいた釜揚げの白魚は、白魚特有の甘味、その裏にあるかすかな塩味が絶妙のバランスです。そして天ぷら。「カリッ」ではなく「モフモフ」した食感ではありますが、こちらは駅弁のフタと中身の間に敷かれていたシートが程よく油を吸い取っているため、しつこくなくて美味いです。冷めていてもこれだけの味が出せるということは、油そのものも良質なはず。
地味にヒットだなと思ったのは、昆布の佃煮。こりこりした茎の感触がアクセントとなって楽しく、海の香りが楽しめます。山椒の実がまぶしてあるので、香りにもアクセントがあるんですよね。気が利いている付け合せだなと感じました。
そして完食。パッケージがシンプルゆえ、ここまでおかずが多彩だとは思いませんでした。
白魚は高級料亭などでも振舞われる魚ですし、実際に味も美味。パッケージにも目立つように書けばいいのに、と思いましたが、なんというか、そんな「奥ゆかしい」ところに、この駅弁の美学をみた思いです。再び販売されることを願いつつ、次回はしじみを育む宍道湖の秘密、そして宍道湖が育んだ7つの珍味「宍道湖七珍」についてお送りします!