カニまるごと8杯!知る人ぞ知る「開高丼」 越前ちゅんちゅんかにめし【後編】

越前ちゅんちゅんかにめし福井駅の冬期限定駅弁「越前ちゅんちゅんかにめし」。よく「越前ガニ」などと呼びますが、これは愛称です。皆さんご存知のズワイガニ、それが福井では「越前ガニ」と呼ばれ、山陰地方では「松葉ガニ」と呼ばれます。

そしてズワイガニの「メス」は「セイコガニ」と呼ばれています。地元では価格の安さ、身の甘さもあって、セイコガニがよく食べられているとのこと。ズワイガニは地元でも高嶺の花なんですね。ちなみに越前ガニ漁の解禁は、毎年11月6日の午前0時。今シーズン、福井県三国港の初セリでは、例年2割安ながら越前ガニが1杯3万円、セイコガニが1杯2500円の最高値がつきました。

「越前ちゅんちゅんかにめし」に使われているのはズワイガニ、そして紅ズワイガニの名も原材料名の中にありました。ズワイガニよりも深海に棲む紅ズワイガニは、その名のとおり茹でる前から赤味がさしていて、身は甘くて瑞々しいのが特長です。

そして、ズワイガニが水揚げされる港が点在する地といえば越前海岸です。海岸の近海は、海底が段々畑のようになっていて、カニの棲家として適しているとのこと。水揚げされたズワイガニは、近隣の旅館やホテルにとって冬場の貴重な観光資源といえるでしょう。

越前ちゅんちゅんかにめしその旅館のひとつに「こばせ」という、海岸に面した小さな宿があります。この宿が産んだ名物料理が「開高丼」。食通で知られる作家、開高健にちなんだものです。開高氏はこの地の自然と食文化を愛し、「こばせ」に宿泊していました。そこで食べた丼が、ご飯の上にズワイガニのメス、セイコガニまるごと8杯分(!)を割りほぐした逸品。開高氏は喜び勇んで平らげたそうです。今でも「こばせ」の冬期限定特別メニューとして食べることができます。お値段はハーフで5000円、レギュラーで10000円。いくらズワイガニより安いセイコガニとはいえ、レギュラーはまるごと8杯分です。さらに1杯づつ手作業でほぐしていく手間も掛かりますので、金額としては妥当といえるでしょう。また、セイコガニはメスゆえ、内子(腹の中の卵)の濃厚なコクと外子(腹の外の卵)の食感も「開高丼」では味わえます。もちろんカニミソも8杯分加わっている・・・想像するだけで気を失いそうです!一生に一度でいいから食べてみたい!!

「こばせ」へは、福井駅からJR北陸本線・敦賀行でおよそ20分の武生駅からバス、もしくはタクシーでのアクセスとなります。付近には越前岬水仙ランド越前がにミュージアム、日本海の水平線が一望できる露天風呂「漁り火」など、レジャースポットも多々あります。そして国道305号線を北上すれば、福井きっての名所、東尋坊。思う存分、冬の福井を楽しみ、カニを満喫し、帰りの電車の中で「カニ尽くし」の締めに「越前ちゅんちゅんかにめし」。そんな旅、いかがですか?


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