
ホバークラフトという乗り物をご存知でしょうか? 簡単に説明しますと、高圧空気を下に噴き出してわずかに宙に浮かせ、プロペラで進む乗り物です。浮いた状態ですので、陸上でも海上でも、高速で走ることができます。原理は簡単ですので、機械好きの人が小型のものを自作したりすることもあるようです。レジャー用の小型ホバークラフトの市販品もあるそうです。砂浜に簡単に上陸したり、ボートも使えないような、浅い海・湖・川でも使えますから、警備用・軍事用にも多く使われているそうです。
このようにさまざまな分野で活躍するホバークラフトですが、一般定期航路ではあまり活躍していません。一時期は、高速船として伊勢湾や錦江(鹿児島)湾、瀬戸内海、能登半島、沖縄など各地で活躍していましたが、運航コストが高いことや悪天候に弱いことなどにより、長続きした航路はあまりありません。国鉄宇高航路で、急行便として1972年秋から瀬戸大橋が開通した1988年春まで15年半活躍したのは、かなり長いほうになります。
その中で、大分市と大分空港を結ぶ航路を開設以来、盛業を続けているのが大分ホーバーフェリーです。同社は大分市街地にあった大分空港が、別府湾をはさんだ対岸の国東半島に移転することになったため、アクセス対策として設立されました。1971年10月16日の新空港開業と同時に運航を始め、ちょうど26周年を迎えたところです。開業当初は定員50名クラスのホバークラフトを使っていましたが、今ではリプレースされ、定員100名クラスに大型化しています。
水陸両用のホバークラフトといえども、通常の港で海に浮かんでいる状態で乗下船することが多かったようです。しかし、ここでは大分側も空港側も、スロープによって上陸したホバークラフトに、地上からタラップを使って乗り込みます。特に空港側は、1991年に新空港ターミナルビルの竣工に合わせ、ターミナルビルに隣接した場所に乗り場を移転し、上陸してから数百メートルの専用通路を走って(飛んで?)乗降場に向います。
写真は、この専用通路分を進む様子で、このようなクランク状の場所があって、横すべりをしながら進む迫力のあるシーンが見られます。この写真は、乗り場から数分歩いた国道の歩道から撮ったもので、迫力満点のシーンを簡単に見物できるのも、ここの魅力の一つです。
先に悪天候に弱いと書きましたが、波が高いときの揺れは、通常の船とは少し違います。波が船底を叩くような感じですので、車で荒れた道を速く走るような感じでした。
今では、別府市街や大分市街と空港を結ぶ高速道路や有料道路が整備されましたので、リムジンバスに乗っても以前ほど不便ではありません。しかし、日本唯一になったホバークラフトの一般定期航路ですから、大分空港を利用する機会があれば、ぜひ試してみたい乗り物です。