NHK大河ドラマでもお馴染みの戦国武将、武田信玄。信玄が信濃に攻め入る際に幾度も足を運んだ地、小淵沢の駅弁を今回は食べてみました。その名も「うまい甲斐」。以前、テレビ番組の企画で誕生した「元気甲斐」に続いて小淵沢駅で発売された人気駅弁です。
封を開けるとまず目に飛び込んでくるのは、なんとも食欲をそそるこげ茶色に煮込まれた桜肉!つまり馬肉です。馬肉の切り身がほんのりと桜色をしていることから桜肉と呼ばれるようになったとか。さっそく一口食べてみますと、なんとも濃厚な味!臭みは皆無で、ただひたすら濃厚です。パッケージをみると「甘辛煮」とありますが、煮る段階の砂糖と馬肉本来の甘味が「くどくない甘さ」を演出しています。牛肉のしぐれ煮にありがちな「辛すぎる」こともなく、絶妙です!私はパッケージの「馬肉」の文字を見てから食べましたが、もし見ていなかったら馬肉と気付かなかったかも。それくらいクセがなく、「馬肉はちょっと苦手」という方でも大丈夫な気がします。「馬肉大好き!」という方には、この駅弁を食べるために小淵沢駅に下車してもらいたいくらいの味!しかも、肉は「そぼろ」よりも若干荒め(粒が大きめ)にカットされているので、ご飯と一緒にかき込んでも美味いし、ひとかけらづつチビチビと食べて酒のアテにしてもよさそうだなと感じました。
その馬肉を挟み込んでいるのが、貝です。下のご飯はあわびの炊き込みご飯。上に3切れほど乗っているのが、アカニシ貝の煮貝。炊き込みご飯はあっさりとしていて、濃厚な馬肉によく合います。煮貝、これもあっさり系。アカニシ貝はサザエの仲間ですが、風味と食べ心地はあわびに似ています。まさに「うまい甲斐」の「うまい貝」!(駄洒落はうまくない)
脇を固める品々も魅力的ですよ。個人的に最高!と思ったのは「武田漬け」と呼ばれるきゅうりの漬物。多くの駅弁にあしらわれているきゅうりの漬物ですが、はっきり言って段違いのうまさ。辛くなく、えごくなく、「やわらかい」味の漬物に仕上がっています。田舎のおばあちゃんの家で食べる漬物のようです。その他には、まず「信玄かまぼこ」。どのあたりが信玄なのかはちょっとわかりませんでしたが、いわゆるシンプルな味。ただシンプルだからこそ、濃厚な馬肉と合うんです。徹底した「脇役精神」が見事です。容器の隅に鎮座している野沢菜炒め、白州町産の原木取り椎茸の煮物も、箸休めとして最適です。
そして、デザートまで付いてます。食べ始めてから「コレはなんぞや?」と気になる物体があったのですが、パッケージをみてみると、それが「紅白ワイン羊羹」であることが判明。山梨は勝沼をはじめ、ワインの製成量は日本一。デザートまで地元の名産を絡めてくるキメの細かさ!もっちりとした食感にワインの風味と甘さが加わった逸品です。ただ「武田漬け」に感激した自分としては、「漬物で締めたかったな・・・」とちょっぴり思いました。
いうなれば、「うまい甲斐」は「甲斐版幕の内」。いろんな甲斐名物が入っていて得した気分になります。さて次回は、「うまい甲斐」に入っていた食材ひとつひとつにスポットを当て、甲斐の歴史を少し紐解いてみたいと思います!