出荷羽数全国トップを走り続ける阿波尾鶏~JR徳島駅・阿波尾鶏重【後編】

阿波尾鶏重今でこそ日本人にとってポピュラーとなった鶏肉ですが、これは至って最近のこと。奈良時代から度々肉食禁止令が出され、「鶏や卵を食べるのはもってのほか」という通念もありました。仏教の教えを説く際に出てくる「地獄」にも、鶏が亡者を襲う「鶏地獄」なるものがあり、畏怖の対象として存在していたわけです。

しかし、禁止といいつつも美味いものは美味い。なんだかんだで皆こっそり食べていたようです。また、「鳥肉だけはOK」といったお触れも時代によってありました。ちなみにうさぎを「一羽、二羽」と数えるのは、その名残。強引に「鳥」扱いにして食べていたんですね(笑)。

江戸末期になるとかなり「縛り」もゆるくなり、坂本竜馬が好んで「軍鶏鍋」を食べていたのは有名な話です。その後、維新を経て本格的に肉食文化が入ってきたのですが、当初は牛肉より鶏肉のほうが高い、なんてことも。鶏肉が安価でポピュラーとなったのは昭和30年代、いわゆる「ブロイラー」が広く出回った頃です。

阿波尾鶏重しかし、健康的に育った鶏のほうが美味なのは当然のこと。しだいに「地鶏」の美味しさに注目が集まるようになりました。名古屋コーチン、比内地鶏がその代表格。そして、これら名の知れた地鶏に対抗するのは生半可なことじゃダメ。美味しくて、なおかつ他の地鶏ブランドより安い鶏を改良せねば・・・と考え、徳島の地鶏をもとにして生まれたのが阿波尾鶏というわけです。その狙いが功を奏し、阿波尾鶏の出荷羽数は2004年に200万羽を超えました。1998年から地鶏のブランド別出荷羽数で全国1位を続けています。世に出回っている地鶏でもっとも多いのが、阿波尾鶏なんです。ダジャレから生まれたネーミングも、人気獲得に一役買っている気がしますね。

さてここで、駅弁「阿波尾鶏重」を食べる絶好のスポットをご紹介しましょう。もちろん列車の中で食べても風情がありますが、徳島駅から徒歩10分のところにあるロープウェー乗り場、そこから7分で徳島の象徴といえる「眉山(びざん)」の山頂に辿りつきます。先日公開された松島菜々子さん主演の映画「眉山」は、この山のこと。阿波踊りをはじめ、徳島の風景がふんだんに出てきます。眉山からは徳島市街はもちろん、淡路島や紀伊の山並みも一望でき、お弁当を広げるには絶好の地。阿波の風を感じながら、ぜひとも「阿波尾鶏重」に舌鼓を打ってみてください。


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