杜の都といわれる仙台には、美味しいものが目白押し。そのためか、じつは全国でも一、二を争うほどの駅弁激戦区なんです。売店にズラリと並んだ駅弁でまず目を引くのは、やっぱり仙台名物の牛タンをあしらったお弁当。しかし牛タン以外にも仙台名物はたくさんあります。そんな隠れた名物を「片っ端から」味わいたい!という人にオススメしたいのが、「独眼竜政宗辨當(べんとう)」です。
包装紙の中央に鎮座するは、いわずとしれた戦国武将、伊達政宗。ちょっとタレントのダンカンさんに似ている気もしますが、それはさておき幼い頃に疱瘡を患って片目を失明したことから、ついた異名が「独眼竜」、知力に長け、機をみて敏なる戦人(いくさびと)でありながら、茶や書にも精通する文化人の顔も持つ政宗・・・果たしてその弁当はいかなるものなのか!!!早い話、幕の内弁当です。そこでガッカリするなかれ!一品一品が丹念に調理され、味もさることながら目も楽しませてくれる、戦国武将の食膳さながらの駅弁なんです。
ご飯は3種類。白米に黒ゴマをふり、栗をあしらったおにぎり。笹の葉で巻き、ぎんなんをあしらったくるみおこわ。そして個人的にもっとも美味だと感じたのは、味噌を塗った焼きおにぎり。味噌の甘さとおこげのほろ苦さ、全体からかもし出される香ばしさ。どれをとっても一級品です。
おかずもどれから食べてよいか迷うほどの多彩ぶり。仙台牛の甘辛煮はご飯のおかずにピッタリで、これ一品で「仙台牛の甘辛煮弁当」が出来てもおかしくありません。
赤魚の酒粕漬けは口の中でほろりと身が離れ、濃い目の酒粕の味がこれまた美味。お子さんやお酒の苦手な方は敬遠するかもしれませんが、粕漬けが好きな人にはたまらない味です。
こごみの胡麻和えは、すり胡麻がこれでもか!というくらいにまぶしてあり、濃厚な風味が味わえます。こごみ自体が山菜の中では珍しい「アク抜き不要」のクセのない食材なので、万人受けする和え物といえるでしょう。
絹さや、ホタテ、凍り豆腐、たずなこんにゃくの煮物は、食べた後にふんわりと鰹節のダシの香りが鼻をくすぐります。その他、仙台名産のひょろりとした長茄子の漬物、紅大根、梅酢れんこん、仙台味噌を巻いたしそ巻、笹かまぼこ、鶏照り焼き・・・これだけ詰まって1000円は、リーズナブルの一言です。
食べ終えて「余は満足じゃ」と心の中でつぶやきつつ、ふと思ったことがひとつ。土地土地の有名人の名を使った料理や弁当、お酒は全国にありますが、中には「ゆかり」が薄いものもあります。単に「有名だから・・・」という便乗モノですね。でもいろいろと調べてみると、この「独眼竜政宗辨當」は違いました。思わず「ほぅ!」と唸る(かもしれない)政宗とこの駅弁の「ゆかり」については、次回お届けいたします!