全国区の名物がある地域では、その名物の陰に「隠れた名物」があるものです。たとえば四国・高松。名物はなんといっても「讃岐うどん」です。高松駅についたら、とりあえず構内のうどん屋で舌鼓。そして観光中にも讃岐うどん。さらに帰り際、高松駅周辺にざっと20~30件ある讃岐うどん屋で締め。まさに讃岐うどん三昧、野球でいえば先発、中継ぎ、リリーフのすべてが讃岐うどんといった状況です。そこで提案。高松の隠れた名物「あなご」の駅弁に、高松観光の先発もしくはリリーフを任せてみてはいかがでしょう。今回の駅弁は高松駅の「あなごめし」です。
あなごは瀬戸内海の海の幸。あなごの駅弁といえば広島が有名ですが、瀬戸内海南岸、高松の「あなごめし」もまた格別です。あなごの開き、刻みあなご、あなごをごぼうで巻いた八幡巻が入っていて、まさにあなごのフルコース。とりあえず最初に「開き」を食べてみると、うん、美味い!しつこくない甘さのタレが効いています。香ばしさ、脂の乗り方も満点。関東のウナギの蒲焼に比べると多少歯ごたえがありますが、それがまたご飯とよく合うんです。ご飯はイリコをベースにした薄口醤油の炊き込みご飯。これがまた最高!「冷えても美味しい」駅弁を作るために全国の業者さんが切磋琢磨し、結果としてご飯を「炊き込み」にするケースは多くあります。個人的に、「あなごめし」のご飯は3本の指に入るほどの美味さ!「濃すぎず薄すぎず」というのは、こういうことをいうのだなと実感しました。やっぱり関西の駅弁のほうが東北に比べて薄口ですね。
さて、次はこのご飯と一緒に刻みあなごをパクッ。開きとは食感が異なり、まった飽くきずに食べ進められます。そして八幡巻。この八幡巻も駅弁にはよくあしらわれていますね。牛肉や鶏など、ごぼうを巻く具は様々ですが、あなごの場合はごぼうの野趣を品良く、やわらかく包み込んでいます。ごぼうそのものも瑞々しい!噛んだ断面がうっすらと濡れそぼっています。
あなごの脇役を務めるのは、彩り担当の海老と銀杏、そしてこれも郷土料理の醤油豆。ソラマメを甘辛く醤油で煮込んでいて、田舎料理の風情満点です。余談ですが、香川にはイリコ出し風味の「うどんアイス」、醤油豆のかけら入りの「醤油豆ソフト」なるものがあるそうです・・・。津田松原SAに立ち寄る機会があったらぜひ醤油豆ソフト、お試しいただいて感想を送ってください(笑)。
かくして、「あなご尽くし」を駅弁で堪能しました。香川県にはあなごのてんぷらや照り焼きをあしらった丼物を出す店も多いので、高松にお出かけの際はぜひそちらも味わってみてくださいね。讃岐うどんに隠れた高松の名脇役、あなご。そういえば「サザエさん」にときおり出てくる「アナゴさん」も名脇役ですね(笑)。さて次回は、今の季節に適した高松の魅力についてご紹介しましょう。